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脳卒中後遺症

◆ 専 門 外 来

脳卒中後遺症

脳卒中は正式には脳血管障害と言い、①脳梗塞・②脳出血・③クモ膜下出血を総称して脳卒中と言います。 死亡数は年間約11万人にも及び、1位 悪性新生物(ガン)、2位 心疾患 3位 肺炎に次いで4位が脳卒中となっています。(厚生労働省2014年) 脳卒中は、中高年に比較的発症しやすい疾患で、生活習慣病のひとつでもあります。食生活や運動不足、飲酒、喫煙などが原因のひとつと考えられています。

①脳梗塞

「梗塞」とは、ものが詰まり流れが通じなくなる状態とさします。脳梗塞は血栓と呼ばれる血の塊が脳の血管をふさいでしまって起こる状態です。ふさがったその先の血管に酸素や栄養が届かず、脳細胞や血管が壊死してしまう病気です。

■主な原因
脳梗塞には脳の血管が血栓によって詰まって壊死する「脳血栓」と、心臓などの他の部位でできた血栓が脳に流れてきて血管が詰まる「脳塞栓」と2つに分けられます。     どちらも原因は高血圧、高脂血症、肥満、糖尿病、喫煙、大量の飲酒、運動不足、ストレス、加齢(血管が細く弱くなりやすい為)、遺伝、脱水症状(血液が濃くなり血栓を作りやすい為)があり、さらに「脳塞栓」の場合は心臓病など他の臓器の問題も考えなくてはなりません。


■主な前兆
脳梗塞で見られる前兆の症状で多い症状は「一過性脳虚血発作」です。これはある日突然片方の視界が悪くなり、しばらく休んだら元に戻ったという症状で、この数日後に脳梗塞を発症すること が多くみられます。発作の多くは2~15分で、24時間以内で収まります。視界が悪くなる症状以外に、物が二重に見える、顔や手足の片側に麻痺やしびれが出る、言葉が出てこない、ろれつがまわらないなどの症状がみられます。これらの症状が全て一緒に出てくるわけではありません。あやしいなと感じたら早めに医療機関を受診することをお勧めします。脳梗塞は見つけるのが遅いほど命の危険や後遺症の重症度が高まっていきます。

■主な症状

脳は全ての神経や機能を司る細胞が集まっているので、その部分が壊死してしまうと様々な症状を引き起こします。血栓が詰まる場所によって症状が変化しますが、多くは片麻痺、感覚障害が起こります。他には、言葉が出てこない(失語)、視界の半分が見えない(同名半盲)、重度であれば意識障害が見られます。また、後遺症が残ることが多いのも特徴です。

②脳出血

脳の血管が何らかの原因で破れ、脳血管から出血してしまう状態を言います。多くは脳の血管にできた小さな袋状のコブ(動脈瘤)が耐えられなくなると破れて出血してしまうことで起こります。

■主な原因
脳出血の多くの原因は、高血圧であるということです。高血圧であると、血管の内圧が正常血圧の方と比べて高くなり、そのため血管に負担がかかり、破れてしまいます。さらに年齢を重ねると血管の弾力性が弱まっていくのでさらに脳出血の確率は上がっていきます。その他の原因としては、高脂血症、肥満、糖尿病、喫煙、大量の飲酒、運動不足、ストレス、遺伝などがあります。

■主な前兆
脳梗塞と違い、はっきりとした前兆がみられず突然起こることが多いのが特徴です。ただ、高血圧であると、めまい、頭痛や頭重、激しい肩こりを感じたり、全身に倦怠感を感じたりします。脳出血が起こってからでは遅いので、高血圧で上記のような症状を感じた場合は、早めに医療機関で検査をすることをお薦めします。

■主な症状
脳出血が起こる場所によって症状は違いますが、多くは頭痛、嘔吐、片麻痺、意識障害、感覚障害が起こります。また、言葉が出てこない(失語)、視界の半分が見えない(同名半盲)といった症状もみられます。脳出血が起こり、倒れた瞬間は意識障害に加えて呼吸障害もよく見られます。また、嘔吐物によって窒息しないように注意することも重要です。

③くも膜下出血

脳は外側から硬膜、くも膜、軟膜の3枚の膜で覆われており、硬膜は頭蓋骨に、軟膜は脳に密接しています。くも膜は硬膜に密着し軟膜との間には隙間があり、そこをクモ膜下腔と呼んでいます。そのくも膜下腔で出血がおこったものをくも膜下出血といいます。くも膜下腔は脳脊髄液を分泌し吸収するために働く血管が張り巡らされています。クモ膜の血管が破れると、流れ出た血液がくも膜下腔に流れ込み、脳脊髄液が貯留できる量を超えてしまい、軟膜が押し出される形になります。そして脳が圧迫され、クモ膜下出血の症状を引き起こします。

■主な原因
原因のほとんどが脳動脈瘤破裂(クモ膜にできた血液が溜まったコブが破裂すること)によるものです。まれに脳の動脈や静脈の奇形によるもの、高血圧によってできた血液の塊(血腫)によるものもあります。また遺伝の要素もあるので、家族にクモ膜下出血の既往歴がある方は注意が必要です。

■主な前兆
はっきりとした前兆が見られることが少なく、突然起こることが多いです。しかし、脳動脈瘤から少しづつ出血していればいつもと違うような軽い頭痛を感じたり、めまいや物が見えづらいなどの症状が見られたりすることがあります。

■主な症状
突然起こる経験のしたことのないほどの頭痛が主な症状です。吐き気や嘔吐も伴います。多くの方は頭痛が起こった時間を正確に言えるほど突然であったり、ハンマーで後頭部を殴られたような痛みと表現されます。また、意識障害を生じることもあります。

当院では・・・

当院では、運動機能の回復に適している「推拿療法」と、痛みやしびれの改善に適している「針灸療法」による、ひとり一人の状態に合った治療をおこなっています。 「推拿療法」は、拘縮した関節の動きを取り戻し、全身の血流を改善し運動神経や感覚神経の調整を行ない運動機能の改善をおこないます。また、進行する関節拘縮の予防にも有効です。 「針灸療法」では、各症状に合った経穴(ツボ)への刺激による、しびれや痛みの改善。頭針を行い脳からの神経伝達を正常に戻していきます。

以下のような脳卒中の後遺症に対する治療を行っています。
・麻痺により、半身が自由に動かない方
・麻痺により、手足の感覚が鈍っている方             
・手や足にしびれや痛みを感じる方
・関節に拘縮(関節が動かず固まってしまうこと)が見られる方
・全身がだるく、常に疲労感を感じる方など







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